
事業内容
Service
自然を形に、共に提供
私たちは、中大規模木造建築に特化した構造設計事務所です。
商業施設・福祉施設・オフィス・教育施設など、さまざまな建築において、木の魅力を活かした構造設計をご提案しています。
木造は、“やさしい素材”であると同時に、“合理的で強い構造”をつくれる選択肢です。
その可能性を最大限に引き出すパートナーとして、私たちがお手伝いします。

対応可能案件
- 幼稚園、学校
- 事務所
- 工場、倉庫
- CLT、2×4
- S造から木造への提案
- 混構造への対応など

対象工法
- 在来軸組工法
- 金物工法
- CLT工法
- ツーバイフォー工法etc.

使用ソフト
- STRDESIGN、ホームズ君、Astim、Ascul、KIZUKURI(2x4)
- SS7、壁式RC、FAP、MED、チャート8
- AutoCAD、JwCAD
業務フロー
Workflow Overview
- お問い合わせ
- まずはお問い合わせフォームからご連絡ください。
お問い合わせの際にご用意いただきたいもの
・意匠図(平面図・立面図・断面図・仕上表)
・地盤調査報告書※有ればで構いません。
- ヒアリング
- 担当者よりご連絡させていただき、ご希望の工法や樹種などをお伺いいたします。
- 業務開始
- 方針の立案:7日間
仮定断面の提出:14日間
変更・修正:7日間
構造図の提出:7日間
計算書の提出:7日間
※上記は目安です。
- 審査期間への対応
- 2週間〜2ヶ月程度
- 完了
事例紹介
Featured Projects
事例1:2階建ての福祉施設
柱本数の削減、オーバーハングの提案、鉛直構面(面材)、EV架台の検討
このプロジェクトは、プレカット業者様からのご依頼でした。
初めてお付き合いさせていただくお客様でしたが、当初から非常に明確なご要望をいただいており、設計の方向性を共有しながらスムーズに進行することができました。
具体的には「自社で加工がしやすい納まりで設計してほしい」というご要望で、基本的には在来工法の仕口を用いながら一部には既製品の金物を取り入れるといった方針でした。
また、材料についても「自社で調達しやすい集成材を使用してほしい」とのご要望があり、これらの条件を踏まえて設計を進めました。
特徴的だったのは、プレカット業者様が施主であるという点です。
プレカット図面が先行して用意されており、それをベースに構造検討を行いました。
ただし、構造の安全性や合理性の観点から梁の組み方に一部調整を加えさせていただいたり、施工性やコストの面から柱の本数や配置についてもご提案させていただきました。
結果として、お客様のご要望を尊重しつつ、より実用的で合理的な構成へとブラッシュアップされた設計を行うことができました。

事例2:小学校に併設する図書館
木造案件をローコストで実現、地元木材の活用、無柱空間の実現、建築基準法第46条2項ルートの対応、トラスの設計
このプロジェクトは意匠設計者様からのご相談がきっかけでスタートしました。
すでに木造で実施設計が完了していたものの、コストが想定を大きく上回っており、「なんとかコストダウンできないか」というご要望をいただいたのが始まりです。
当初の設計では、大断面の集成材を使用した架構が計画されており、材料費・加工費ともに高額でした。
さらに、「できる限り地元の材料を使いたい」「地元の施工業者でも対応できる内容にしたい」といったご要望もいただきました。
加えて、室内空間には複数の柱が設けられていましたが、「内部空間にはできるだけ柱を落としたくない」という新たなご要望も加わりました。
木造で短辺19m、長辺29mの範囲を無柱空間とするのは、技術的にも難易度の高い課題でした。
私たちはまず、コスト面の見直しから着手しました。
大断面の集成材を避け、中断面の集成材や製材に切り替えるご提案をしました。
これにより材料費が大幅に削減できるだけでなく、地元の施工業者でも扱いやすいサイズになるため施工性も向上します。
また、木造建築において一般的な910mmモジュールを採用することで、合板の無駄を最小限に抑え、材料の効率的な仕様にも配慮しました。
大きな課題となったのは、最大19mのスパンを飛ばす構造の実現でした。
これには、架構方法として木造トラスを採用しました。
トラス形状については複数の案を提示し、意匠性・施工性のバランスを検討いただいたうえで、最適な形状を選定しました。
接合部は、施工性と構造安全性の両立を図るためセンタースリットとドリフトビンを用いたシンプルなディテールをご提案しました。
さらに、鉛直構面を外周部のみに限られるという制約に対しては、柱と斜材による ”方杖(ほうづえ)” や筋交いを用いた建築基準法第46条第2項に基づく計算ルート(2項ルート)を選定しました。
これらの構造的工夫と計画によって、最終的には19m×29mの大空間を柱のない開放的な無柱を木造で実現することができました。

事例3:4階建て集合住宅
都心の狭小地での4階建て検討、木造軸組工法中大規模建築物の許容応力度設計(2024年版)に準拠した設計、壁仕様の提案(詳細設計を実施)、プレカット業者へのヒアリングと調整
このプロジェクトは「木造にチャレンジしてみたい」「4階建ての木造建築に挑戦してみたい」という意匠建築設計事務所様からのご相談によりスタートしました。
都市部における木造多層階建築は特に事例が少なく、技術的なハードルも高いため、私たちにとっても非常にやりがいのあるプロジェクトとなっています。
計画地は都心の狭小地であり、敷地条件にはいくつかの制約がありました。
特に、周辺の建物や道路状況の関係で搬入できる材料の長さに制限があったため、プレカット材の寸法や接合方法には初期段階から十分に配慮する必要がありました。
さらに、既存建物の解体後に新築する計画であり、もともとの杭を撤去せず残した状態で新築する方針でした。
そのため、既存杭の位置を避けながら建物の構造を成立させる設計が求められ、さらに地盤補強についても新たに計画・提案する必要がありました。
私たちはまず、プレカット業者様に対して詳細なヒアリングを実施しました。
各社の対応可能な加工寸法、得意とする工法、取り扱う構造用製材の種類などを丁寧に確認したうえで、今後の設計変更が発生しにくいように、初期の段階から実現可能性の高い設計を進めることを心がけました。
木造4階建てという高難易度の案件では、こうした実務的な調整が計画全体の安定性に直結するため、特に重要なプロセスと考えています。
また、木造多層階建築では、審査機関の選定も重要なポイントとなります。
特定の審査機関では対応が難しい場合もあり、審査自体に半年以上かかるケースもあるため、スケジュールにも大きく影響を与えかねません。
そこで今回は、当社から木造多層階に理解のある審査機関を設計事務所様へご紹介し、円滑な進行をサポートさせていただきました。
本プロジェクトは現在も進行中であり、構造設計の詳細は鋭意検討中です。
設計が完了し次第、進捗や工夫したポイントなどについて、こちらのページで随時情報を更新してまいります。今後の展開にもぜひご注目ください。
